神戸の人は『京都へ小旅行』という概念を持っている。
ここで言う小旅行とは宿泊を伴う旅行のことだ。
神戸から京都へは、車だと高速で1時間半ほど。
阪急なら神戸三宮から京都河原町まで1時間13分、JRの新快速を使えば三ノ宮から京都まで52分。
どう考えても、ちょっと1泊2日で出掛けるのに最適な距離だと思う。
私は大学時代を京都で過ごしたので、今でもその時の友人たちと集まる際の舞台は京都だ。
昨年、数年ぶりに友人たちと京都でランチをした。
せっかくなので、私は前日から京都のホテルに泊まっていた。
私以外は大阪や京都の人間だったが、私が前日から泊まりがけで来ていたことに全員が驚き、のち爆笑し「京都と神戸は泊まるほどの距離ちゃう！」と言っていた。
その中の1人がインスタに「編集長は昨日から前乗りして京都入りしてたw」と上げ、すると別の京都の友人からも「京都と神戸は泊まるほどの距離ちゃうw」ってコメント来てた。
ウケたらなんでも嬉しいのでそれは良いのだが、そのときから私の中で、神戸の人は京都を『小旅行の距離』だと思っているが、京都の人にとってそうでないのはナゼか？という素朴な疑問がうごめき続けている。
京都の友人たちに「私がランチするだけやのにわざわざ前泊までしたから可笑しかったん？」と尋ねると「いや、単純に京都と神戸は泊まるほどの距離ちゃうから面白かった。」ということだった。
それを受けて、数名の神戸人に「京都って泊まりで行くよな？」と確かめたら、全員がYESと答えた。
今回このことを書くに当たって、娘のママ友たちにも念のため確認したが、これまた全員がYESと回答。
「ちょうど先週行ってきたとこですー！」という猛者まで存在した。
これで神戸の人からすると、京都は小旅行の距離である、という仮説が成立した。
ところが、逆の場合はどうだろう？
少なくとも私の友人達は「神戸に泊まりでは行かない」という。
昔から関西では『京都で学び大阪で働き神戸に住む』という言葉があるぐらいなので、神戸は住む場所としてはいいが、大阪や京都の人が泊まりに来る場所にはなり得ないのか。
もしかすると、反対側の岡山や徳島、香川辺りの人にもそう思われている可能性さえある。
どうも近隣府県の人は、神戸に遊びには行くが、基本的に『日帰りで行く場所』という認識のようだ。
よく比較されるが、神戸はやっぱり横浜と立ち位置が似ていると思う。
お互い東京、大阪という大都市の隣にあって、時間が余ればついでにちょっとだけ寄ろうかな〜くらいの存在なのだ。
大都市のベッドタウンのイメージが強いのか。確かに単独でのカリスマ性には欠けるかもしれない。
突然横浜さんを巻き込んでしまったことは悪いと思っているが、やっぱり逆の立場で考えると、私もわざわざ横浜旅行に行こうとは思いにくい気がする。
神戸や横浜で何をしたらいいか、どこへ行けばいいかが見出しづらいのだ。
神戸は横浜と同じく古くに開港した港町で、昔は呼ばずとも人が集まってきていたので、自らアピールする必要性があまり無かった。
そのため今に至るまで、行政も観光に力を入れているようで本腰を入れてはいない感じがする。
良く言えば鷹揚に構えていて、それも神戸のいい所なんやけども。
そんなことを考えながら、つい最近、私はまた性懲りも無く京都に小旅行に出かけた。
今回は友人に会うためではなく神社仏閣巡りがしたかったからだ。
まんまとめっちゃ楽しくて、やっぱり京都は神戸から1泊で行くのに最適な距離だと改めて思った。
第二の故郷とも言える京都が大好きだ。
しかし、こうして一生、神戸は京都に片思いなのか。
阪急を使った場合の十三乗換の面倒くささはお互い様とちゃうんか。
いつかアイツに振り向いてほしいから、私はまた来週から神戸の魅力を微力ながら発信していきたいと息巻いているハリキリ屋さんだ。
そんな自分が、自分でも若干うっとうしい笑。
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