編集長コラム 第3回「変わりゆくモトコーへの寂寥感」

編集長

小6の時、初めて友人たちと親に黙ってモトコー(元町高架通商店街)に行った時のことは今でも鮮明に覚えている。

当時のモトコーはとても恐ろしい場所だと周りの大人から散々脅されていたので、もしカツアゲされてもお金を取られないように、靴の中に千円札を入れていくという謎かつベタな作戦をとって臨んだ。

今思えばただのアホの子らやけど、もう完全に冒険気分だった。

我々の大冒険は、非常に平和裡に終了した。
カツアゲはされなかった。
たまたま運が良かったのか、ただの都市伝説だったのか、今となっては知る由もない。

元町高架通商店街 モトコー

そんなモトコーが、ただいま順次リニューアル中だ。
耐震改修工事のためらしい。

そもそもモトコーは戦後の闇市がルーツと言われており、オシャレな古着屋やレコード屋、そして神戸駅に近付くに従って、本気で意味の分からない雑多屋としか言いようがない店が無数に軒を連ね、B面の神戸の最高峰だった。

元町高架通商店街 モトコー2番街

三宮の高架下とは全く雰囲気が違うところがミソである。

高校生になってからは、よく友達とブラブラ歩きながら、もうそれ誰が買うん?と思うようなボロボロの家電や壊れたオモチャなどが陳列されているのを見てはゲラゲラ笑った。

大人になってからも悩み事や考え事がある時は、元町ー神戸駅間をひたすら歩きながら、学生時代と同じように、ひたすらボロいラジオ(全くアンティークとかでは無い、ただただボロい)だけを並べてる店などを見ながら、だからそれ誰が買うん?と心の中でツッコミながら歩いて気分転換をした。

よその土地に旅行に出かけて神戸に帰ってきたら、必ず行きたくなる場所だった。

元町高架通商店街 モトコー2番

あのカオス感あふれる独特の雰囲気のモトコーが無くなってしまうのは、本当に寂しい。

きっと神戸らへんの人は皆、それぞれのモトコーの思い出があると思う。

工事が終わったら今の三宮駅北側のように、キラキラしたオシャレな感じに変わってしまうんだろう。

と言いつつ、いざリニューアル後の姿を見たら、また誰よりもウキウキして「めっちゃいいやん!絶対こっちの方がいいよなー!」ってすぐ寝返る自分が目に浮かぶ。

お願いやから、そう思わせてほしい。

今はまだ、寂しい。

元町高架通商店街 モトコー改装工事

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神戸を愛し神戸に愛され続けて38年😆👍(つまり38歳)人と喋ることと文章書くことが好き過ぎて、うっかり編集長になってしまったタイプです。神戸及び兵庫県の『人』をクローズアップしたインタビュー記事をメインに、神戸っ子たちのコラムも充実♫ 地元の人にも神戸以外の人にも、軽〜く友達感覚で読んでもらえたらうれしいです😊💓

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