編集長コラム 第16回「神戸の祇園まつり」

編集長

今年は3年ぶりに地元の夏祭りが開催され、我が町の民は誰もが浮き足立っている。
その祭とは、神戸・祇園神社の祇園まつり。

祇園祭といえば普通は京都を連想されると思う。
でも実は神戸の下町の民にとっては地元の夏祭り。ホワイトベリー、否、ジッタリンジン。

開催時期も京都の祇園祭とかぶってるし、地元の人間には「祇園さん」とさん付けで親しまれているところまで同じで、大学時代に京都人の友人ができてからというもの、紛らわしいことこの上ない祭であることを知った。

神戸 祇園祭

祇園神社のHPでも「まつり」とひらがなで書いているところを見ると、そこで差別化を図っているつもりなのだろうか。

神戸の祇園まつりも、本家京都の祇園祭と同じく八坂神社に関係あるっぽいこともHPに書いてた気がするし、きゅうりを供えろやなんやと昔からちらほら聞かれたが、地元の人間にとっては「そんなん知らんけど1年で1番楽しみな行事」であることは間違いないし、露店の数からしてもなにげにかなりの規模の祭だと思う。体感でいうと、長田神社の初詣以上柳原のえべっさん以下。

毎年7月13日〜20日まで1週間に渡って開催され、今でもいつ行っても何時に行っても絶対誰か地元の子に会う。
大体毎年、上の方のつぼやき屋台が地元民のコンフォートゾーン。
おそらくみんな歴代彼氏彼女を連れてきてるし、結婚して地元を離れて子供が生まれても家族と共にやってくるほどに愛している。

神戸 祇園祭

祇園さんといえば思い出すのは、小4か小5のときに、それまでの経験上「祇園さんで好きなだけ好きなことをするには1回5千円あれば豪遊できる」という試算を出した。

つまり7日間毎日行くとして(厳密には8日間。私がアホで間違えていただけ)、祇園さんまでに3万5千円貯める計画を5月頃から実行した。

方法は簡単で、当時は我が家が斜陽化する前でわりと経済的ゆとりがあったので、父と祖父母に計画のプレゼンをしたらとても面白がられ、あっとゆーまに3万5千円を手に入れた。
あれはクラウドファンディングの先駆けだったと自負している。リターンは私が毎日楽しく祇園さんに行ってくること笑。

毎日行こうと思ったらホンマは4万貯めなあかんかったんやけど、なんやかんやほぼ毎日祇園さんに行って惜しみなくそのお金を1週間で使い切った(友達にオゴるとかは一切なしで)。

ロマン溢れてて大好きな千本引きなんか1日5回ぐらいやった気がするし、個人的に1番美味しかったクジ付きの焼き鳥屋さんでも毎日たらふく食べた。

なんだかすっかり満足したのと1日5千円は多すぎるとわかったこともあり、翌年以降は祇園さんクラファンは実行しなかった。

でもこの年の祇園さんのことは、今思い出してもクスッとなる子供時代のキラキラした思い出のひとつになっている。

もうひとつ思い出深いのは、祇園さんでは少し前まで「うなぎつり」というヨーヨー釣りの要領でヌルヌルした鰻を釣るものが大人気で、昔は地元の男たちの意地とプライドを懸けた熾烈な闘いが繰り広げられていた。

でもこのうなぎつり、全然釣れないことで有名だったのに、小学生の時に1度だけ弟の友達のオトンが釣り上げて息子や息子の友達たちから満場の拍手を浴びて意気揚々と家に持ち帰ったら、そこんちのオカンに「ホンマいらんことして!誰がさばくんよこんなもん!」と激怒されたことは、翌日には町内の誰もが知るところとなった。

「あそこのおっちゃんな、せっかく祇園さんでうなぎ釣ったのに、おばちゃんにバリ怒られたらしいで」と最初は子供たちの擁護の声から始まった伝達だったが、オカン連盟の耳に入るやいなや「さばく側の気持ちも考えて!」と概ね非難される形で終結した。

そんな祇園さんに今年はまだ行けていない。
噂によると今年は開催されたものの、露店の数は半減してるらしい。
コンフォートゾーンのつぼ焼き屋台も出てないとのこと。
それでも行こかなーやめとこかなー、でもやっぱり行〜くっ♫(好きにせい)

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「先輩の言うことは絶対!」

編集長

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神戸を愛し神戸に愛され続けて38年😆👍(つまり38歳)人と喋ることと文章書くことが好き過ぎて、うっかり編集長になってしまったタイプです。神戸及び兵庫県の『人』をクローズアップしたインタビュー記事をメインに、神戸っ子たちのコラムも充実♫ 地元の人にも神戸以外の人にも、軽〜く友達感覚で読んでもらえたらうれしいです😊💓

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