村上たつま 神戸に登場したZ世代の市会議員【後編】

インタビュー

大学院入学を機に上京した村上さんは、政治学とパブリックマネジメントを学びながら、インターンで参議院議員の事務所に入った。

その時に知り合った神戸の衆議院議員に「先生の事務所でバイトさせてくださいよ!」と頼んでみたら「おぉ、ええよー!」と言っていただき、2年生の時に、その方の事務所で、寄付金を集めたりパーティ券を売ったりする秘書業務を経験。

大学院2年生は修士論文を書くだけだったので、東京と神戸を行ったり来たりの生活だった。

市会議員を志した理由

東京暮らしで色んな刺激も受けたが、自分がずっと住んでいくイメージはできず、その頃から地元の神戸で市会議員になろうと考え始めた。

「まぁ理由は色々あるんですけど、究極的に言うと、地元からどんどん人がいなくなっていくのが寂しかったから、というのが1番ですかね。多くの同世代の友人たちが地元を離れてしまって、大阪ならまだ近い方で、東京とかにたくさん出ていってしまった。僕は家業のこともありますし、結局は神戸に住み続けるわけじゃないですか。ほな、せめて僕ぐらいは地元に残って、この街がどう変わっていくのか見届けたいなと。ほんでいつか、その子らが帰ってきたときに『やっぱり神戸はええ街やな』と思ってもらえるようにできたらええなぁと思ったんです」

選挙の3年前から準備を始めた

神戸に残っている友人達に「市会議員選挙出よか思てんねん!」と声を掛けると「よっしゃ、ほなやろか!」ということで、選挙の3年前から動き始めた。
色んな人に会い、それまでの貯金も含めて800万ほど資金を貯めて、選挙1年前から活動開始。
その甲斐あって2019年に26歳という若さで、神戸市初の平成生まれで最年少議員「村上たつま」は誕生した。

祖父には昔から家業を継ぐことを望まれていたが、大学院卒業前に祖父が亡くなる直前に「政治家になりたいと思ってる」と告げると「そうか。ほなやれるだけやってみぃ」と背中を押してくれた。
湊川に自分の事務所を構えたときは「祖父も最初に仕事を始めたときはこんな感じだったのかな」と、感慨深かった。

議員の仕事への思い

それから3年経った今、議員の仕事をしていることをどう感じているのか尋ねてみると

「今の日本の選挙って○×じゃなくて名前を書いて投票するわけじゃないですか。兵庫区の4千人近い方々が日曜日にわざわざ投票所に行って、わざわざ僕の名前を書いて投票してくれたから、今僕がこうして職を得てるわけですよね。何か特別な資格を取ったわけでもなければ難しいテストを受けたわけでもなく、名前を書いてもらっただけで仕事ができてるというのは、これはやっぱり特別なことやなと思いますし、重みもあります。」

いずれは国政の場に出るつもりがあるのか伺うと

「100%無いです。1億積まれても出ません。それぐらい衆議院は激務すぎるからです。地元で、目に届く範囲の市会議員の仕事してる方が、性にも合ってると思いますし」

神戸に骨を埋める覚悟だという村上さんは、地元の兵庫区ではお困り事への対応やインフラ関係のこと、それに加えて神戸市全体の業務をしている。

港湾に強い村上さんが、神戸港への熱い思いを語ってくれた。

「1970年代は、神戸港は世界ナンバーワンの港だったんです。今は70位以下ですが、それでも今も神戸経済の3分の1は神戸港から生まれてるんです。コロナで人の流れは止まっても、物流は止まりませんでした。そんな産業を育てていかないといけないと僕は思ってます」

今回、お話を伺って

今まで、市会議員って一体どんなことをしているのかよくわからなかったけど、インタビュー執筆のために村上さんのSNSを全て拝見し「あらゆる方面から神戸を良くしようとしている人たち」なんだとよくわかった。
朝から地元で駅に立ち、陳情を受け、様々な地域活動を手伝い、議会があれば登庁したりと、とてもタフに活動されている。

隙あらばオリックスの話を挟んでくるのも、やるべき仕事をしっかりやっている自負があるからこそ出来ることなんだと解ってきた。

村上さんにそう伝えると「全然僕だけじゃありませんよ。他の議員の方々も皆さん本気で神戸のことを思って頑張ってくださってます!」

SNS世代議員の登場により可視化されるようになっただけで、昔から熱心に市政に尽力してくださった方々はたくさんいたことに初めて思いを馳せ、ただでさえ郷土愛の強い私は、目から熱いものが込み上げてきた。

先日、神戸空港が2030年をめどに国際線就航決定というニュースを見てとてもうれしかったことと、その話がちょうど重なって見えた。

次世代議員の登場もあり、これからまた神戸がどう変わっていくのか、我々市民も総力をあげて注視していきましょうね!

前回インタビュー

編集長

編集長

神戸を愛し神戸に愛され続けて38年😆👍(つまり38歳)人と喋ることと文章書くことが好き過ぎて、うっかり編集長になってしまったタイプです。神戸及び兵庫県の『人』をクローズアップしたインタビュー記事をメインに、神戸っ子たちのコラムも充実♫ 地元の人にも神戸以外の人にも、軽〜く友達感覚で読んでもらえたらうれしいです😊💓

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