「行けるとこならどこでも歩いてく 行けるとこならどこでも歩んでく 日々こうして生きてる」
以前、夏の兵庫大会のスコアラーを20年ほどさせてもらっていると書きましたが、そんな奇特な局とは加古川のBAN-BANというケーブルテレビです。
名前を出してもいいと許可を頂いたので、高らかに公表します。
BAN-BANでは東播磨地区二市二町の12校が高砂球場で試合を行う場合に、昔から毎年必ず生放送しています。
「行けるとこならどこでも歩いてく 行けるとこならどこでも歩んでく 人として生きてく」
さっきからチラチラうるさいカッコ書きの部分は、私がその昔、BAN-BANに行かせてもらい初めた頃に宝殿駅から高砂球場まで歩きながら聴いていたケツメイシの『歩いてく』の歌詞です。
BAN-BANが高校野球中継をしていることは、高校時代に高砂球場に試合を見に行ったときに見かけて知り、大学生になったらすかさず電話してお願いしたところ「えーよ、おいで〜」とあっさり入れてもらえて、ホンマにうれしかったんです。
「道が閉ざされる 声を塞がれる 時だって
この思いのままの自分 人で溢れてる 街の中の雑踏も 横目に目指す場所を求め行く」
宝殿駅から高砂球場までは徒歩15分ほど。
その道中でこの歌を聴きながら、だんだん球場が近付いてくると、毎回胸が高鳴りました。
BAN-BANでバイトしたいと思ったのは、中継をしているからというだけではなく、当時から東播地区は県内で1.2を争う野球が盛んな地域で、地区内の12校は白陵以外全て公立であるにも関わらず、この激戦区兵庫県の中でしのぎを削っていけるほどめっちゃレベル高いんです。
県内の強豪私学主力メンバーの出身中学をご覧いただければ、誰もが舌を巻くほどに東播地区の子が多いです。
強豪私学にそれだけバラけても、地元に残る子たちもしっかり力があるんだから恐れ入ります、ホントに。
20年もやっていると、一校一校に思い入れがあり朝まで語れる勢いですが、それはまたの機会にするとしても、この地区への愛は誰にも負けない自信があります。
12校の監督さんたちにはリスペクトがありすぎてお見かけしたら心の中でひれ伏しているし、球児や女子マネージャーたちは1人ずつ抱きしめて頬ずりしたいぐらい可愛いし、保護者の皆さんには全員に「息子さん、楽しみですね!」って語りかけたいほど親しみを感じていますが、至ってクールな職人気質スコアラーを装っています。
「目の前でかい壁あるとしよう 時に暗くつらくなる時も 俺がここまできた道ウソはない 長い遠回りもまぁまぁそういうもんだろう 長い人生悩むだけ損だぞ やるやる言ってやらねぇそれまで 明日勝つため力貯めどれだけ」
先日、高砂球場からの帰り道に、久々にこの曲を聴いてみたら、当時の自分の情熱が今も全く同じ熱量で残っていることに感動してしまって、その場で泣き崩れそうになりました。
ね、38歳やのに中身が高校球児すぎて、ちょっと引くでしょ?笑
自分でもドン引きしつつも、もうこれが私だから仕方ないと諦めの境地に達して恥ずかしげもなくこうして書いています。
20年も続けさせてもらって、こうして名前を出すことも快くOKして頂いて、本当にスタッフの皆さんには足を向けて眠れません。
毎年、夏の初日には「お!今年もそんな季節かぁ!キミを見たら夏が来たなって実感するわ!」と笑ってくれるスタッフさんたち。
夏が大好きな私にとって、誰かの夏の訪れを告げるものになれてるなんて、こんなうれしいことはありません。
これからも高砂球場の夏女として邁進していきたいと思います。
ちなみに、私も含め多くのスタッフの顔ぶれが20年前からあまり変わらず、毎年平均年齢だけが上がっていっています。
「さぁ行こう 重い足を振り上げ胸張れ声あげろ 今はもう縛る足の鎖はない 残した足跡決して裏切らない」
「もし今描いてきた未来像あるなら 思いのままに戦え 行く末 先で待つ自分に任せ」
20年前の私、勇気を出して飛び込んでくれてありがとう。
今度は20年後の自分にもそう思ってもらえるように、これからも全力高校球児(実態は中年女性)としてがんばろーっと!
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