〝このミッションを遂行できるのは、特別な訓練を積んだ上位1%の精鋭のみである。
その作戦名は「ディレードスチール」”
(トップガンの冒頭シーン風に決めてみました!笑)
あれは2000年夏、とある監督さんが甲子園でこの戦術を使われた際に、この盗塁法を初めて知り、衝撃を受けました。
確かランナー1、3塁の場面。
正確なことは失念してしまいましたが、一般的にディレードスチールはランナー1、3塁の場面で使われるのでこう書きます。もし違っていたらごめんなさい。
(ネットで調べても詳細はわかりませんでした。)
テレビで試合を見ていると、実況アナウンサーが突然こう叫んだのです。
「おーっと!1塁ランナー飛び出しているーッ!」
あーもったいない、リードしすぎてしまったのかな、と思った次の瞬間でした。
「あーっと!その隙に3塁ランナーホームイーン!1塁ランナーは2塁を蹴って3塁へーッ!」
えぇっ!?
一体、今、何が起きたん?
「なんと!ディレードスチールで1点追加しました!」
ディレードスチール??
3塁ランナーコーチの判断が良過ぎただけかと思っていたのに、まさかそれが全て作戦だったなんて!
飛び出したように見えた1塁ランナーは、おとりだったのです。
ディレードスチールという言葉の響きもなんだか強そうでカッコいい!と感動した当時高2の私。
それから向こう1年、あの日のディレードスチールにときめき続けました。
翌年の夏にその学校が再び甲子園に出場した際、甲子園球場の前でお見かけした監督さんに「去年のあの試合のあの場面でのディレードスチール、めちゃくちゃカッコよかったです!」と声を掛けました。
すると監督さんは、まさか女子高生から1年前のディレードスチールを讃えられるとはって感じでアッハッハと笑いながら「そんな細かいとこまでよぉ見ててくれてありがとう!」と仰ってくださいました。
あんなカッコいいプレーを初めて見せてくれた監督さんのお人柄の印象も込みで、私は今でもディレードスチールが大好きです。
最近は高校野球でもあまり珍しくなくなってきて、ときめき度は若干落ちたものの、やっぱりこれを決めてくるチームを見ると「おぉっ!」と思ってしまいます。
意表を突いていればいるほど痺れます。
21年前の夏、当時高3だった私が生意気にも直接お声掛けさせて頂いたその監督さんは、今年の夏も甲子園に出場されています。
当時は光星学院の監督だった、明秀日立の金沢監督です。
その後ご面識はありませんし監督さんはもちろん覚えてらっしゃらないと思いますが、私にディレードスチールを教えてくださった人として、勝手にずっと応援させて頂いております。
あの年の光星学院はベスト4入りするほど強くて強力打線を有していたのに、そんなチームがあの時代にすかさずディレードスチールなんて、今考えてもやっぱり凄すぎます。
普段から少なからずその練習もされていたわけですもんね。
違うチームの監督に就任して、またそこを甲子園常連校にするって、並大抵のことじゃありません。
野球の知識、ご自身の理論や理念、お人柄、そして忍耐力。
これら全てが確立されていないと成し得ないことだと思います。
同じように、報徳学園の永田前監督も日大三島に移られて数年でめきめきチームを強くして、この夏もまた甲子園に出場されていましたね。
長らく兵庫の雄でいらした永田監督のこれからのご活躍も僭越ながら応援させて頂きます。
それでは高校野球好きの全ての皆さま、今日もまだ1日4試合も見られる幸せを噛みしめましょうね!
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