第8回 島根 喫茶店のマスターが神戸に愛を込めて

ココロの兄貴

実際に島根に帰ってみるとこれがなかなか「田舎でノンビリ」という事にはならず、逆にけっこう忙しい毎日です。

なんせ「人手が足らない」。

日本中の田舎はどこでも同じようなモノかと思いますが、とにかく若者がいないので、色んな役が回ってきます。しかも同時にいくつもを兼任しなければならないという。

神戸や東京の方がよっぽど気楽。結婚すらする気のなかった自分が、まさか生涯のうちで「PTA会長」をやるなんて思いもよりませんでした。

しかし、知らない事だらけの中でまみれてみるのもイイもんで、勉強になる事が非常に多かったと思います。

「PTA会長職」以上にチンプンカンプンだったのが「稲作」。お米づくり。

ほんのちょっと前まで全身ドルチェ&ガッバーナで三宮・北野で飲んでいたスカした奴が、今やトラクターに乗って田んぼを耕して苗を植える。
PTA会長よりもありえんな・・・と、当時は自分の人生のバランスの悪さに不安にもなりましたが、今思えば「全身ドルチェ&ガッバーナ」なんつーのは田舎モンの極み。なるべくしてこうなったとも思えます。

そして最も違うと思わざるを得ないのが、やはり人間性。特に「チャレンジへの拒絶感」は、激烈なものがあります。

田舎で暮らしている成人のほとんどは、「チャレンジをしなかった」もしくは自分のように「チャレンジに失敗して戻ってきた」のどちらかに当てはまる事が多いでしょう。

島根に戻ってきた頃は「おまえ、よく戻ってきたなぁ~!いや~嬉しいわ~」と言われる事も多くありました。
ですがそれは、そう言ってるソイツが「ほら、田舎から出ていかなくて正解だったわ」と自らに言い聞かせているだけ。

俺をお前の納得感に利用するんじゃねぇよ(笑)。

ただ、自分としては彼らをそんなに悪いとは思えないのです。

「昨日の自分よりも改善しよう!」「人生は自分のチカラで切り開こう!」と言ったポジティブ風な見えない圧力に苦しんでいる人も少なくないはず。

無理のない中で頑張って生きているのは、賢い選択とも言えるはずです。

かつてはそんな考え方がいやで、自分はこの町から出ていったのですが、まぁ人には人の生き方があるわなと少しココロに余裕が出来ました。

ちなみに自分の考え方は全く変わっておりません。
「この世は変化してこそ輝く!」「改善!チャレンジ!また改善!」の生き方です。

喫茶店は思い切って「ファミリー向け」「キッズのためのお店」に大改装しました。

山間部の、少子化が叫ばれて止まないこの田舎に、どんどん市場が小さくなっていく「子供向けレストラン」。

アルコールも出ないし客単価も下がる。周囲からは「そんな事やっても儲からんじゃろう?アイツどうしたんな?」と笑われているようでした。

みなさんのチャレンジしない人生を否定はしませんが、俺が邪魔される筋合いはない。

「黙って指でもくわえてろ」と、島根県では間違いなくNo.1と言えるだろうキッズルームを備えた喫茶店が完成しました。

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編集長

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神戸を愛し神戸に愛され続けて38年😆👍(つまり38歳)人と喋ることと文章書くことが好き過ぎて、うっかり編集長になってしまったタイプです。神戸及び兵庫県の『人』をクローズアップしたインタビュー記事をメインに、神戸っ子たちのコラムも充実♫ 地元の人にも神戸以外の人にも、軽〜く友達感覚で読んでもらえたらうれしいです😊💓

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