先日お店はお休みをいただき、三女の運動会へ。
転校してきて初めての運動会。全校児童14人という小さな小学校ですが、たくさんの感動が詰まった「大運動会」でした。
そもそもこの春までは2年間の不登校で過ごした三女。運動会というイベントに出させてもらえるようになるだけでもグッとくるものがあります。
不登校は親も子もキツい。家族にとっては先の見えない大問題。 しかしその大問題を、この全校生徒14人の小さな学校が救ってくれました。
学校に行く事すら出来なかったはずなのに、小さい下級生のお世話をしたり、係を担当したり、ダンスをしたりリレーをしたり。
どうしたって我々親も自然に溢れてしまうモノがありました。
しかしメソメソしている暇はありません。 だって、全ての競技に全校児童で参加。観ているとか、応援とかしている場合じゃない、全競技の選手なんだから。
そして、それは保護者も同じ事。
家内は、借り物競走で2度も呼び出され走りました。 朝までは「ワタシ、腰が・・・」と言っていましたが、もう行くしかない。だって、隣の席では、赤ちゃんまで借り出されていたくらいでしたから。
そしてそれは見に来ていただけのはずの次女も同様。ここには保護者も観客もなく、会場にいる全ての人が選手でした。その次女も3つほど競技に参加させてもらい、その競技の景品にお菓子ま でもらっていました(運動会に景品が出る!)。
運動会は盛り上がりが収まりません。みんなどんどん盛り上がります。
「え~、時間が余りそうなので~」
「・・・綱引きでもしちゃいますか~!!」 と、教頭先生がその場の勢いで、競技をひとつ増やします!とアナウンスするではありませんか。
よし!やろう!
というわけで、急遽「小学生&その他見に来ていた人vs父親たち」で綱引きをする事に。 急に競技が増える小学校の運動会など経験したことはありませんが、その生き生きとしたライブ感に子供も保護者も大興奮です。
こんなに楽しい運動会があるなんて。
僕を含めてみんなで本気で綱を引っ張ったのですが、結局父親たちの方の負け。 大喜びをしている小学生たちに、「もう1回お願いします!」と泣きの1回をお願いして再チャレンジしましたが、父親たちはまた負けました。とってもとっても楽しい綱引きでした。
それから三女がここのところずっと練習していたダンス。
初めてみんなで揃えてやっているところを観ましたが、まぁ~素晴らしい。
来週に中学校の体育祭を控える次女がそのダンスを観ていて「ムリ、これには勝てん。こんなに に1人残らず照れずに全力を出すなんて」と、自身の中学校の運動会への危機感を感じていたほ どです。
最後のリレーがまた感動。
児童全員でのリレーの最後、「ふたりきりの6年生アンカー同士」にバトンが渡ります。 ふたりは、彼らがこの学校に入学して、そして今日までの歴史がどんなものだったかを教えてくれ るかのような躍動感で飛び出していきました。
6年間、地域の人や学校が愛情を持って彼らを見守り、そして彼ら2人も存分にそれに応えました。
6年生の2人は、冬を越えるとこの市木小学校を卒業していきます。しかし、彼らは何かを残していき、それを他の子供達は受け取ります。
これほどまでに「バトン」の意味を考えさせられるリレーは見たことがありません。
今まで地域とか社会とか過疎とか高齢化とか、そういう「田舎の問題」を知った風の顔で、他人事で語っていた自分が恥ずかしくなります。
ようやく学校に通えるようになったばかりの三女で、まだまだ実は不安定。いつまた「学校に生きたくない」と言い出すかはわかりません。
ただ、もし例えそうなったとしても、今日のこの感動が消えるわけではありません。親にも子にも、しっかりと刻まれた善き思い出です。
過去を振り返るのは、そればかりであるなら少し寂しいような気もします。
しかし今は先の事を思い悩むより、この日の感動と感謝を忘れず、そして苦しい時なら立ち止まり 振り返りながら、ゆっくりと三女と共に成長できればと願います。
素晴らしい運動会に参加させていただきました。
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