神戸の海が好きだ。
というより瀬戸内海が大好きだ。
どれぐらい好きかというと、沖縄のきれいな海に憧れて移住まで試みたものの、やっぱり瀬戸内海がいいという理由ですぐ神戸に帰ってきたほどだ。
沖縄の海は確かにきれい。
海やのにスカイブルーで、沖には白波が立ってて、文句のつけようがない。
それに比べて瀬戸内海ときたらどうだ。
どんな夏の晴天の下でもせいぜい群青色だ。
天気の悪い日はもう完全に灰色で目をそむけたくなる。
でもなんやろう、私にとって沖縄の海は、たまの旅行で数日愛でるだけでじゅうぶんだということがわかった。
でも瀬戸内海には、いつも側にいてほしい。
元気なときも落ち込んでるときも、すぐそこにいてほしい。
これはあれや。友達のお母さんが美人でうらやましいけど、やっぱり自分のオカンが1番、と思う感覚に近い気がする。
私は毎年夏に瀬戸内海の島で飛び込みをするのが恒例なのだが、飛び込む直前に上から覗き込む瀬戸内海は黒ずんだ深緑をしている。
その謎の色に一瞬たじろくけど、勇気を出して飛び込んでみると、水中では全てがスローモーションになってゆっくり底に一瞬足が着いたあと、ジワっと全身が押し上げられ海面から顔が出る。
まさに母なる瀬戸内海は、飛び込んでくる私を全力で受け止めてくれて「ほらまたがんばっといで!」とお尻を叩きながら地上に戻してくれる。
美人じゃないけど、いつも穏やかで懐の深いオカン。それが瀬戸内海。
念のため言うとくと、飛び込みはちゃんと深さがあって人の迷惑にならないところでしかしてはいけませんよ。須磨では絶対だめ。
でも久しぶりに沖縄のきれいな海も見たくなってきた。
今年の夏は精一杯カッコつけてきれいなお姉ちゃん(沖縄の海)にちょっかいをかけに行ってから、寝起きのだらしない格好のままオカン(瀬戸内海)のとこに帰ってゴロゴロしよう。
まもなく近畿地方も梅雨入りする。
気が早すぎるけど梅雨が明けて海に行くのが、すでに待ち遠しい。
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